翼端にウィングレットを付けたMQ-9Bという新型のようである。尾翼の先端には、F-4時代にも書かれていた星と青いライン。
翼の下には、ヘルファイアーのダミー弾を2発吊り上げ 2度の旋回の後マーチ空軍基地に着陸して行った、この基地には、昔F-4ファントムの部隊がいたのだが、それがMQ-9Bに取って代わっていたのだ。
仮に我々がターゲットならば、翼下のヘルファイアーミサイルから逃れられる可能性はほぼ0%に近い。機首のカメラにはしっかりと我々の姿が映し出されていたはずであるが、 幸いここはアフガニスタンではないので MQ-9は、一度オーバーヘッドして着陸態勢に入った。ブ~ンというエンジン音は意外と甲高い。
マーチ空軍基地でT&GをしていたKC-135Rなどを撮影していたら、上空でブ~ンという音が聞こえた。見上げると翼に何やらぶら下げたMQ-9が飛んでいた。実際の戦場ではもっと高い所を飛行するので このブーンと言う音は聞こえないまま地上のターゲットは死を迎えることになるが、音を聞いた我々は、空を見上げながらISISの兵士の心境に浸っていた。この機体、上空通過だけだと思っていたら。何とこちらに向かって旋回を始めた。
2019年のネリス行では、当初この無人機を撮る予定はなかったのであるが、どういう訳か撮影の機会に恵まれて数機をファインダーに収めることになった。MQ-9リーパーは、300機以上作られ無人偵察&攻撃機の代表作となった機体で。多くの戦争映画にも登場し話題にも事欠かない存在であるが、飛行機マニアの中にはあくまでリモコン機の部類だとして航空機として認めたくないと言う人も多い。

MQ-1プレディターの後継機として大量生産され アメリカ空軍ではF-16の後継機種として使っている部隊も多い。機体はC-130で運べるし、地球のどの場所でも衛星を介してアメリカ本国の指令所から誘導 偵察、確認、攻撃 帰還と一連の作戦行動ができる。ISISやアルカイダの幹部 イランの将軍までこの機体で多くの人間がとどめを刺されたが、攻撃する側はガムを舐めなめ コーラを飲みながらゲームのように作業をこなし、一滴の血も流さないで済むというワンサイドゲームを実現した画期的な兵器でもある。(2021/5 記)
前日までカルフォルニア州の北部ローンパインと言う町に泊まっていた我々は、最終目的地ラスベガスに向かって車を進めた。ローンパインから395号線を一度南下してすぐ左折、190号線でデスバレー国立公園の砂漠地帯を抜けて 途中で374号線に入る。この道を抜ければBeattyという小さな町でフリーウェイのルート95に合流できるのだ。Beattyは実に静かで小奇麗な町で西部開拓時代の雰囲気を漂わせ、野生のロバの親子も町を自由に歩き回っていた。ルート95に入れは西南西にひた走りでラスベガスである。ラスベガスにあと1~2時間で到着出来ると思われた場所で 急に広大なエプロンが見えてきた。ナビによればインディアン・スプリングスとある。この場所は、T-38A時代のサンダーバーズチームが大きな事故に見舞われた場所でもあるが、今では、クリーチ空軍基地として MQ-9の一大拠点になっているようだ。もちろん フリーウェイからは、MQ-9は見えなかったが、エプロンにCH-53Eが3機ほどいるのが見えた。
クリーチ空軍基地からネリスの航空ショーに飛来したMQ-9 一応432d WGの航空団司令指定機・・・無人機なので隊長機は可笑しい様な気もするが、一般の飛行隊のように特別な一機を決めているようで この機体がそうである。それにしても432d WGは、三沢基地にF-16A/B/C/Dで駐留していた航空団であっただけに感慨深い。
ネリス空軍基地に展示されたMQ-9 胴体側面には432d WGのインシグニア他 3つのマークが書かれている。手前に置かれているのは搭載可能なMk-82通常爆弾の模擬弾。JDAMのユニットが装着済。
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